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毎月 佐々部清監督がオススメする、外国映画と日本映画を1本ずつ監督よりコメントを頂き紹介していきます。

佐々部清監督プロフィール>>

Vo.27 『死刑台のエレベーター』 『家族ゲーム』

■2008年7月11日(金)放送

『死刑台のエレベーター』

最近ジャズをよく聴きます。隔週火曜日発売の<COOL JAZZ COLLECTION>という雑誌(CD付)を購読しているからです。
第1回のマイルス・デイビスから始まって今は9回目のサラ・ヴォーンです。
ジャズにあまり詳しくもないのですが、マイルス・デイビスは知っていました。今回の『死刑台のエレベーター』は全編がマイルスのトランペットで奏でられます。

監督はルイ・マル、25歳でのデビュー作でした。マイルス・デイビスは編集されたラッシュ・フィルムを観ながら即興でこの素晴らしいテーマ曲など10曲を演奏したという伝説も残っています。

主演は僕の大好きなジャンヌ・モロー、F・トリュフォー監督の『突然、炎のごとく』でも主演を演じています。『太陽がいっぱい』のモーリス・ロネもいい味を出しています。時間の行き違いがサスペンスの大きな仕掛けなのですが、これが25歳の監督か!…というほど素晴らしい緊張感です。
もちろん、それを助けるのがマイルス・デイビスの音楽。お金が掛かっていなくても面白い作品が作れるという見本のような映画です。

『家族ゲーム』

日本で若い頃から才能を発揮した監督は何と言っても森田芳光監督でしょうか?
この作品には驚きました。主演は松田優作さん、宮川一朗太さん、故・伊丹十三さん、由紀さおりさん等々。
この作品までの松田優作さんはアクション・スターという捉え方だったように思えます。

しかし、この作品では表情をほとんど変えることなく淡々と、それでいて狂気を感じさす家庭教師を演じました。宮川一朗太さん演じる受験生とのやり取りなんかはほとんどコントなのですが…面白さと怖さがミックスされて目が離せません。
横に一列に並んでの食卓シーンは有名ですが、これは何だか<最後の晩餐>を想像させてくれます。

とにかく、おかしな映画です。何度も観ているのですが観始めると最後まで観てしまうのです。ラストシーンにヘリコプターの音が聞こえるのですが、『夕凪の街 桜の国』のラブホテルでのヘリコプターの音はこの作品から盗んでしまいました。

そうそう、この作品に音楽は一切ないのでした。確か、由紀さおりさんがレコードを掛けるシーンはあるのですが音は鳴らないのです。不思議な映画でした。



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