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毎月 佐々部清監督がオススメする、外国映画と日本映画を1本ずつ監督よりコメントを頂き紹介していきます。

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Vo.26 『ユージュアル・サスペクツ』 『影の車』

■2008年5月30日(金)放送

『ユージュアル・サスペクツ』

ここの所、時間が出来てミステリー小説ばかり読んでいました。そこで今回はミステリー映画の傑作を紹介しようと思います。

ブライアン・シンガー作品です。
派手な映像・演出はありません、計算され尽くした脚本が素晴らしく、またそれを演じる俳優たちの芝居も良いのです。…俳優さん達の芝居を観る映画かも知れません。

この作品でケヴィン・スペイシーはアカデミー助演男優賞を受賞、アカデミー脚本賞も受賞しています。今はスターになりましたがベニチオ・デル・トロなども渋い役どころで出演しています。

僕は主人公を演じているガブリエル・バーンという俳優さんが大好きです。
色気があって受け身の芝居がとてもうまい俳優さんです。内容は詳しく書けません。…良い人が一人も出ない作品です。
僕は自分の作品に悪い人を出したくないといつも思っているのですが、良い人が一人も出ないというのも珍しいですね。殺戮シーンなどもありますが、とにかく悪い人しか登場しないので、それほど辛く感じません。

構成が複雑なので一つのシーン、一つのカット、一つのセリフを注意深く鑑賞してください。ラストにハッとさせられて、思わずニヤリとするでしょう。

『影の車』

ちょっと古い作品です。またかと思われるかも知れませんが野村芳太郎監督作品です。

原作は松本清張の短篇小説です。
加藤剛さんと岩下志麻さんが主演で、出ずっぱりです。他には岩下志麻さんの子供役の子役、大人達が少々、出演するだけなのですが、観ているうちにどんどん怖くなります。

派手な殺戮シーンがたくさんあるわけではありません。主人公の加藤剛さんの心理が追いつめられていく様が怖いのです。自分たちが生活しているちょっとした場面と重なるようなシーンがたくさんあるように思えます。カメラワークも複雑なことは一切やっていません。おそらくフィルターワークで効果を狙っている夕方の色彩が強烈に印象を残してくれています。
本来は暖か感じの表現に使用する夕方のオレンジ色が、この作品では寂しさ故に怖さまでも表現しているように感じるのです。原作の「潜在光景」というタイトルも改めてゾクッとします。

以前にも書きましたが野村芳太郎監督には、まだまだたくさんのミステリー映画があります。どうぞ、これを機会に野村作品を手にしてください。<野村芳太郎作品にハズレなし!>と思って貰えると思います。



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