うぃ〜くり〜ナビタウンドットコム
ナビタウン
     

毎月 佐々部清監督がオススメする、外国映画と日本映画を1本ずつ監督よりコメントを頂き紹介していきます。

佐々部清監督プロフィール>>

Vo.24 『さらば、わが愛/覇王別姫』 『さらば愛しのやくざ』

■2008年5月2日(金)放送

『さらば、わが愛/覇王別姫』

先日公開中の『王妃の紋章』という中国映画を観に行きました。とにかく豪華絢爛、CG満載、お金と人の物量戦の映画で、もうお腹一杯といった感じでした。でも、主演女優コン・リーの美しさにはうっとりでした。他の俳優さんとは格が違うというか凄い迫力でした。しかし僕は『さらば、わが愛/覇王別姫』のコン・リーが一番好きです。

監督はチェン・カイコー。
中国・京劇の<覇王別姫>という演目を大きな要素に、二人の女性(正確には一人は女形)と一人の男性の愛憎の物語。背景には中国文化大革命という歴史のうねりが、この人間ドラマをより深いものにしています。主演の三人(チャン・フォンイー、レスリー・チャン、コン・リー)が素晴らしいです。ことに女形を演じるレスリー・チャンはその立ち振る舞いから、感情の表現まで絶品だと思います。本当に惜しい俳優さんを失ったと思います。レスリー・チャンは数年前に自殺しました。もちろん、コン・リーの毅然としたキャラクターも彼女にはピッタリと嵌っていました。

この作品のもう一つの見所は、この三人の俳優たちが登場するまでの冒頭部分で
す。京劇の養成施設での子役たちのお芝居。映像もひっくるめて、ぐいぐいとこの映画の世界に引き込まれます。
2時間40分という長尺の作品ですが、まったく長さを感じません。丁寧に撮られた映像…CGもない俳優の力強さを感じて貰える作品です。

 

『さらば愛しのやくざ』

<さらば>繋がりでもありませんが日本映画はこれにしました。間もなく公開される『相棒』の和泉聖治監督作品です。
因みに僕もセカンド助監督として参加しています。

この一年『三本木農業高校、馬術部』でご一緒した柳葉敏郎さんと陣内孝則さんが主演です。トレンディ・ドラマが全盛の頃の作品ですから、このお二人の人気も凄
いものがありました。早稲田大学・構内での撮影でも、たくさんの学生さんがボランティア・エキストラで参加もしてくれた記憶があります。

タイトルには<やくざ>の文字が入っていますが、紛れもなく青春映画です。陣内さん演じるヤクザと柳葉さん演じる早稲田の学生の奇妙な友情の物語でもあります。土派手なヤクザの抗争アクションなどもありませんが、舞台背景となった80年代の空気やファッションなどもよく出ていると思います。それから、当時<ランバダ>という南米のダンス曲が大ヒットしていました。僕がよく聞いていたのを和泉監督が聞いて、この映画はランバダで行くぞ!…てなことになり、テーマ曲はランバダをフューチャーした感じのものになりました。ちょっと切なくて良いです。

SMAPの稲垣吾郎君が無口な少年の役で出演しています。けっこうレアですよね。
先月紹介した『旅の贈り物 0:00発』の原田昌樹監督がチーフ助監督、佐々部組には欠かせないスクリプターの山下千鶴ちゃんと初めて仕事をしたのもこの作品でした。


当ページに掲載されている画像、文章等、全ての内容を無断で複製、転載、ファイル化することを禁じます。

三本木農業高校、馬術部
結婚しようよ
夕凪の街 桜の国
出口のない海
カーテンコール
四日間の奇蹟
チルソクの夏
陽はまた昇る