何かときぜわしく、この月ばかりは師(僧)もせわしなく走りだすという師走である。しかし、夜ともなればしんしんと、心にしみいるような冬の静けさが訪れる。温かい料理が一番のご馳走である。一年を振り返り、年の瀬はとにもかくにも区切りをつけなければならない。
ないても笑っても一年が終わりを告げる大晦日。やがてどこからともなく鐘の音が響いてくる。除夜の鐘は、合わせて百八つ。、人間の煩悩のすべてを鐘の響きに乗せて取り除こうというものである。鐘に心を洗って新年を迎える。今年から来年に続く悠久の時の流れを思い、一期一会の心をめぐる季節に学ぶ。
ありがたい今日の一日もわがいのちめぐりたまえり天と地と人と
佐々木信綱