皐月 竹のこ生ず候

  薫風そよぐ五月は、新緑もいっそう濃くなり、青葉若葉が陽光に映える様が、青い嵐のように感じられる。また早苗を植える季節であるということから、早苗月とも呼ばれ、転じて皐月となったという。 五月といえば、花菖蒲。五日は端午の節句。鯉のぼりの季節にふさわしく、皐月晴れのなかを闊歩したいものである。 また、茶事では、炉から風呂の季節に変わり、初風呂の茶事が催される。炉の季節には使えなかった初夏の香りのする素材をふんだんに使えるようになり、楽しみも倍加する。食味は淡白なものへと移行するのが約束事。器、盛り付け、色彩にも夏向けの淡いものを揃える。 ふくも、夏ふくへと移行し、淡白なさっぱりした味わいが涼を呼ぶ。万事、夏のよそおいで、季節のけじめをはっきり表すのをよしとする。

【皐月の献立】

 

『ふく百華』出版委員会発行 『ふく百華』より抜粋
制作協力:天白ひらこし