睦月

一陽来復の初春。新年を寿ぎ、華やかさのなかにも、厳粛さを盛り込むことが大切である。茶のめでたさは初釜に始まる。正月らしく晴れやかな取り合わせで、心も新たに客を迎えられるのはこの月ならではのこと。
 新春の到来をめでる海、野、山の食材を心を込めて調達し、手料理にてもてなす。できるだけものの形を変えず、ものの味わいを尊ぶことこそ本領である。
 めでたい席には、幸福を呼ぶといわれる「ふく」がよく似合う。時期も、旬のいちばんおいしい頃合である。ふくを用いた祝儀の献立。一期一会のもてなしが始まる。
 濃茶席の床には「不二」の墨蹟。凛とした品格が茶室に漂い、清浄静寂のなかにも明るさと華麗さが感じられる。

【睦月の献立】

『ふく百華』出版委員会発行 『ふく百華』より抜粋
制作協力:天白ひらこし